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ポイント解説世界遺産とは

point-1危機的遺産・負の遺産

日本の世界遺産:危機的遺産・負の遺産 世界遺産は、主に3つの種類に分けられますが、その中で、危機的遺産、負の遺産と呼ばれているものもあります。どういう物件が危機的遺産や負の遺産と呼ばれているのでしょうか?

危機的遺産とは、世界遺産リストの中に登録されている物件のうち、地震や台風などの自然災害、または、民族紛争や開発行為などの人為災害で、一刻も早く救済措置が必要な、とても深刻な危機にさらされている物件のことを指します。

世界遺産委員会が、緊急に救済措置の必要な世界遺産を危機的遺産として登録し、2009年10月現在では、自然遺産で15件、文化遺産で16件が、危機的遺産に値するということです。

日本には危機的遺産はありません。自然災害は、避けようがありませんが、人為的災害で、破損や倒壊の危機にさらされるのは、実に悲しいことです。

人類は、長い歴史の中で常に正しい道を進み、文化的遺産を作りだしてきたわけではありません。私達人間は、時にとんでもない過ちを犯してきました。人類が犯してきた罪を、証明するような物件が、負の遺産と呼ばれています。

正式な位置づけではありませんが、世界遺産として認定されている物件のうち、負の遺産は、できれば後世には隠しておきたかった歴史の暗闇部分を拾い上げるという意味で大変価値のある物件と言えるでしょう。

日本では、広島の原爆ドームがそれに当たります。




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point-2世界遺産委員会

日本の世界遺産:世界遺産委員会 世界遺産として認定、登録されるかどうかは、最終的に世界遺産委員会の審議にかけられますが、世界遺産委員会というのは、どのようなものなのでしょうか?
世界遺産の始まりから見て行きましょう。

現在、世界遺産というのは、世界中に存在しますが、その始まりは、1960年代に遡るようです。エジプトではそれまで、ナイル川氾濫の解決策としてアスワンハイダムの建設計画が、進められていました。しかし、計画を進める段階で、ダムの建設はエジプト文明の貴重な神殿を水の底に沈めてしまう危険があることに気が付いたのです。

そこで、ユネスコが水没遺跡救済キャンペーンを実施し、多くの国が賛同、様々な面から調査し、見事遺跡を解体して別の場所に移すことができたということです。

この件をきっかけにして、歴史上、大変価値のあるものを大切に保存し、後世に残していこうという考えが広まったと言われています。

こうした考えは、やがて世界遺産条約の成立、発効へと大きく発展してきます。

日本の世界遺産:世界遺産委員会 世界遺産というのは、世界遺産条約の目的に賛同し、条約を締結している国だけが、登録のチャンスをつかむことができるのです。日本が締結国になったのは、先進国ではかなり遅い1992年で、125番目です。割と近年というのが驚きですね。しかし、締結国になってからは、国内でも世界遺産に対しての関心が、年々高まってきています。

自分の国に、世界に誇れる遺産があると、いう強い想いは、自分の国を好きになる、という原点に返ることにもつながり、基本的だけど新しい、素晴らしい風潮と言えるのではないでしょうか。

世界遺産条約締結国のうち、21カ国から世界遺産委員会は成り立っています。
国際連合教育文化科学機関に属し、年一回、会合を持ちます。任期は6年ですが、立候補する国が多いため、多くの国が、満期を待たず短くしているようです。

この年一回の会合では、世界遺産に登録する物件の審議の他、危機的遺産リスト登録物件の加除や世界遺産基金の運用について、または、世界遺産条約履行についての諸問題についても話し合われます。




point-3世界遺産の登録への道

日本の世界遺産:世界遺産の登録への道 「私の県には、とても価値のある素晴らしい建物がある。ぜひ世界遺産に!」と思い立ったとき、 一体どうしたらよいのでしょうか?

いきなり世界遺産委員会に申請する、というわけにはいきません。
世界遺産に登録されるには、決められた流れがあり、それに沿って手続きが、進んでいきます。

手続きより先に、何より世界遺産条約の締結国でなければなりません。日本は152番目の締結国ですので、最初の条件で、日本の物件は全てクリアになります。

それでは手続きを見て行きましょう。


1.世界遺産に推薦したい物件を持つ県や市町村が、 日本政府(文化庁、環境庁、林野庁)に対して資料付きの 要請書を提出します。

2.政府は、文部科学省、国土交通省などで構成される世界遺産条約関係連絡会議にて、協議をした後、国内の世界遺産暫定リストを作成します。

3.務省を通して、暫定リストの中から、条件の整っているものを年1件、ユネスコ世界遺産センターにへ推薦します。

4.ユネスコ世界遺産センターは、各国からの推薦書を受理後、専門機関に、現地の調査の依頼をします。専門機関は種類別になっており、文化遺産であれば、ICOMOS(国際記念物遺跡会議)が、自然遺産であれば、IUCN(国際自然保護連合)という機関が調査を実施します。

5.現地調査依頼を受けたICOMOSや、IUCNは、推薦された物件の価値、現在の保護や保存状態、これからの保存や管理の計画を評価して報告書を作成し、ユネスコ世界遺産センターに提出します。

6.ユネスコ世界遺産センターに提出された報告書に基づいて、世界遺産委員会が、世界遺産リストに登録するかどうかを話し合うのです。厳しい事に、世界遺産に登録されなかった場合、同じ物件は再度申請することはできません。諦めきれない想いを、敗者復活にかけたいところですが、再度申請はできない決まりだそうです。


登録されるには、世界遺産の登録基準を、最低でも1つは満たしていなければならず、登録後も、管理計画に基づきしっかり管理する必要があります。また、登録後の保全状態も、6年ごとに報告し、世界遺産委員会での再審査も受けなければなりません。

世界遺産は、人類みんなで、守らなければいけない物件として認められているため、大切な宝物として引き継ぐために登録後も厳しい条件の下にあるようです。




point-4世界遺産3つの種類

日本の世界遺産:世界遺産3つの種類 世界遺産は、文化遺産、自然遺産、複合遺産、と主に3つの種類に分かれています。どの種類もそれぞれ「明らかに普遍的価値のあるもの」であり、これからも私達が保護し、引き継いでいかなければならないものです。

では、世界遺産の種類を1つずつ、紹介していきましょう。

文化遺産

文化遺産とは、人類の歴史上、芸術的や学術的にも 大変価値のあるものと判断される、建造物や遺跡、またはモニュメントのことです。つまり、簡単に言えば、人間がこの世に誕生してからの「人の手が加わっている宝物」、「人類が造り出した遺産」というわけです。2010年8月現在では、世界で、文化遺産704件登録されていて、そのうち、日本では、11件が登録されています。

日本にある11の文化遺産

日光の社寺 栃木県日光市
白川郷・五箇山の合掌造り集落 岐阜県白川村・富山県南砺市
古都京都の文化財 京都府京都市・宇治市・滋賀県大津市
古都奈良の文化財 奈良県奈良市
法隆寺地域の仏教建造物 奈良県斑鳩町
紀伊山地の霊場と参拝道 奈良県吉野郡吉野町・天川村・十津川村、和歌山県新宮市・田辺市・東牟婁郡那智勝浦町・伊都郡高野町・九度山町・かつらぎ町、三重県熊野市・南牟婁郡紀宝町
姫路城 兵庫県姫路市
石見銀山遺跡とその文化的景観 島根県大田市
原爆ドーム 広島県広島市
厳島神社 広島県廿口市市宮島町
琉球王国のグスク及び関連遺産群 沖縄県那覇市・南城市。中城村・北中城村・うるま市 読谷村・今帰仁村


自然遺産

自然が生み出した地形、地質などの景観、動物などの生態系、絶滅危惧動植物などの生息地などで、特に価値の高いものと判断されるものが、自然遺産として登録されています。その名の通り、「自然よって作られた宝物」というわけです。2010年8月現在、世界で登録されているのは、180件、そのうち、日本は、3件が登録されています。

日本にある3の自然遺産

知床 北海道目梨郡羅臼町・斜里郡斜里町
白神山地 青森県西津軽郡鰺ヶ沢町・深浦町・中津軽郡西目屋村/秋田県山本郡藤里町
屋久島 鹿児島県熊毛郡屋久町・上屋久町

文化遺産と比べると、自然遺産の登録数が圧倒的に少ないことが、お分かりでしょうか。それは、自然遺産が、文化遺産のように人の手で保護できないというのも理由の一つなのかもしれません。環境汚染や温暖化などによって、自然遺産は危機的状況にさらされがちです。また、自然遺産に登録されるには、その一部だけ自然のままであれば良いというわけにはいかないようです。例えば、とても価値のある樹木があったとします。しかし、一本の木だけではとても登録できません。その木の周りの環境も重要な調査の対象になるのです。人の手が加わっていない上に、周りの環境も、保護すべき価値があると判断される必要があるというのは、思った以上に厳しい条件なのでしょう。

そもそも、世界遺産に登録されるためには、とても調査が厳しいというのに、自然遺産への登録には、さらに人の手ではどうにもできない条件が加わっていることから、文化遺産の数に対して、極端に少ないのかもしれません。


複合遺産

複合遺産とは、文化遺産と自然遺産の両方の要件を満たしていることが条件とされています。 最初から、複合遺産として登録される場合と、初めは文化遺産、または自然遺産として登録されていたところに後から、もう一方の価値もあると認められ複合遺産として、登録されることもあるようです。自然と文化の結びついた遺産と言えるでしょう。2010年8月現在では、27件の登録がありますが、日本には、複合遺産の登録物件はありません。




point-5日本の世界遺産暫定リスト

日本の世界遺産:日本の世界遺産暫定リスト 日本には、現在登録されている14の世界遺産の他にも世界遺産に推薦できるほどの価値のある、素晴らしい自然環境や文化財がたくさんあります。

その物件を保有する自治体は、世界遺産を目指してまず国内の暫定リストに名を連ねるべく、 政府に働き掛けているのです。

審査された結果、暫定リストに記載された物件は、そこで初めて、世界遺産登録に向けてスタートを切ることができます。逆を言えば、暫定リストに記載されていない物件は世界遺産として登録されることは、まずありえないのです。

2007年7月現在、日本には8件の暫定リスト登録地があり、この暫定リストは、記載されてから5年~10年の間に世界遺産への登録を目指しています。

世界に誇れる、我が国の明日の世界遺産を、北からご紹介しましょう。


日本の世界遺産暫定リスト

平泉 岩手県平泉町
富岡製糸場と絹産業遺産群 群馬県富岡市ほか
武家の古都:鎌倉 神奈川県鎌倉市
富士山 静岡県富士宮市、山梨県富士吉田市など
小笠原諸島 東京都小笠原村
彦根城 滋賀県彦根市
飛鳥・藤原の宮都と関連資産群 奈良県明日香村ほか
長崎の教会群とキリスト教関連遺産 長崎県長崎市ほか


その他にも国内で、世界遺産暫定リストへの名乗りを挙げて活動中しているいくつかをご紹介しましょう。

北から、北海道の摩周湖、函館の夜景、大雪山国立公園、秋田県の縄文時代のストーンサークル、栃木県の日光杉並木、長野県の松本城、善光寺、沖縄の竹富島・波照間島の文化的景観など。

上記に挙げた以外でも、数多くの名乗りを挙げている物件があることから、日本という国の、見どころの多さに驚くと共に、母国の良さを、再確認する機会をもつことができます。




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